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【骨の健康とミネラル】
京都大学大学院医学研究科教授(整形外科学) 中村 孝志 先生
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骨の健康とミネラル 〜その2〜 |
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つまり、血液系のマクロファージが骨に接触すると、骨芽細胞から情報が出され、マクロファージが破骨細胞に分化します。
だから、破骨細胞は骨芽細胞のある骨にしか存在しないことが理解できます。
以上をまとめると、骨ができると、破骨細胞が分化してやってきて、骨を吸収し、ある程度で止まります。どこで、なぜ止まるかはわかっていません。
次に骨芽細胞が活性化して、骨をつくります。ある程度つくるとまた破骨細胞が出てくるというように、骨の表面では製造と吸収が繰り返されています。
骨は細胞だけでなく、基質からできています。細胞は骨全体の2〜4%で、大半が基質です。基質は22%の有機質と69%無機質 から成ります。
有機質は90%がコラーゲン、10%が非コラーゲン性たんぱくです。非コラーゲン性たんぱくの三分の一は血液のたんぱくが骨についたもの、三分の二は骨芽細胞がつくったもので、
細胞やコラーゲンにさまざまな情報を出しています。骨折が治るのもこの情報のお陰です。コラーゲンと無機質は複合して身体構造を支えています。
(つづく)
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