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【骨の健康とミネラル】
京都大学大学院医学研究科教授(整形外科学) 中村 孝志 先生
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骨の健康とミネラル 〜その3〜 |
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無機質はほとんどがリン酸カルシウムであり、アパタイトの結晶です。リンとカルシウムの比率は人工骨のように一定ではなく、
この柔軟性がさまざまな働きをしているらしいようです。アパタイトの材料となるカルシウムは腸管から吸収されて血液に入り、骨に運ばれ、アパタイトを形成します。
血中のカルシウムが不足すると、破骨細胞が働いて骨を吸収し、血中のカルシウムを補います。血中カルシウムの一部は腎臓で吸収されて尿とともに放出されますが、
腎臓の細管で再吸収され、血中に戻ります。結局カルシウムは 腸管、骨、腎臓という3つの臓器を通じて濃度のバランスをとっているわけです。リンも同じようなことがいえます。
これらの働きの調節をしているのがホルモンとビタミンですが、マグネシウム、フッ素、亜鉛、カリウムといった微量元素(ミネラル)も重要な働きをしているようです。
適量のマグネシウムはアパタイトを強固にします。
重度の骨粗鬆症に欠かせない人工骨の改良も著しくなり、セラミックなど新素材の開発とともに、骨がアパタイト形成を行わせ、
生体の骨と人工骨をより堅固に結合することも可能になってきました。
深層海水と健康研究会誌 vol. 1 より
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