生活の中のストレッサーとは・・
アメリカの社会生理学者 ホームズとレイ(Holmes&Rahe,1967)が生活上のあらゆる出来事がストレス源になることに着目し、日常生活において、どのようなものが人々の心理的ストレス刺激(ストレッサー)になるのかを調べ、右の表のような43項目のライフイベントからなる社会的再適応評定尺度を作成しました。
まず、右表の中から過去一年間に起こったライフイベントを選びだし、選んだ項目の点数を合計し、200点から300点あれば、半数以上が翌年くらいに、ストレス症状がこころか身体に表れるであろうとホームズとレイは考えました。
表を見ると「配偶者の死」・「離婚」など不快な出来事ばかりでなく「結婚」や「夫婦の和解」など喜ばしい出来事についてもストレッサーになることが示されています。おめでたい出来事も強い喜びや感動、興奮を引き起こし「人生の一大事」であり、自律神経系や内分泌系等に大きな負担をかけストレスの原因となると考えられています。つまり、変化があればそこにはなんらかのストレスがあるということです。ハンス・セリエ(Hans Selye, 1907〜1982)は、「ストレスは人生
のスパイスである」といっているように、必ずしもストレッサーを避ければよいというものではなく、むしろ適度なストレスをもたらすストレッサーに積極的に挑戦し、ストレスを克服することで、人間的に成長することができます。しかしストレスが過ぎると、心と体に悪影響を及ぼし、ひいては「心身症」を引き起こします。
 ストレス対策で大切なことは、ストレスが自分が耐えられるボーダラインを超えているかどうか気づくことで、 それは自分自身を見つめることから始まります。 自分の生活のしかた、性格、物事への処し方の中に潜む問題を見つけ、 それを克服することがストレスと上手に付き合う方法です。

生活上のできごと ストレス強度
1 配偶者の死 100
2 離婚 73
3 夫婦の別居 65
4 刑務所などへの勾留 63
5 近親者の死 63
6 自分のけがや病気 53
7 結婚 50
8 解雇 47
9 夫婦の和解 45
10 退職や引退 45
11 家族が健康を害する 44
12 妊娠 40
13 性生活がうまくいかない 39
14 新しく家族のメンバーが増える 39
15 仕事の再調整 39
16 経済状態の変化 38
17 親友の死 37
18 職種換えまたは転職 36
19 夫婦の口論の回数が変わる 35
20 100万円以上の抵当(借金) 31
21 抵当流れまたは借金 30
22 仕事上の責任の変化 29
23 子供が家を去って行く 29
24 身内のトラブル 29
25 優れた業績をあげる 28
26 妻の就職、復帰、退職 26
27 復学または卒業 26
28 生活状況の変化 25
29 生活習慣を変える(禁煙など) 24
30 上司とのトラブル 23
31 勤務時間や勤務条件の変化 20
32 転居 20
33 学校生活の変化 20
34 レクリエーションの変化 19
35 宗教活動の変化 19
36 社会活動の変化 18
37 150万円以下の抵当(借金) 17
38 睡眠習慣の変化 16
39 家族だんらんの回数の変化 15
40 食習慣の変化 15
41 休暇 13
42 クリスマス・お正月 12
43 ちょっとした法律違反 11
ストレッサーの点数