柚の木の果実で、原産地は中国長江の上流、中国・日本各地で広く栽培され、日本での主な生産地は高知、徳島、大分です。『桃栗三年、柿八年、柚子は九年でなりかかり』という言葉がありますが、苗を植えてから九年たたないと実が生らないといいます。秋から冬にかけてが旬で、冬至や正月にお風呂に入れてゆず湯としたり、鍋物に入れたりと冬の季節に欠かせない食べ物の一つです。
芭蕉の元禄四年(1691)の『嵯峨日記』に「柚の花やむかししのばん料理の間」とあります。柚の花は初夏の頃小花を開き香気を放ち、その蕾が香味料として料理に用いられました。酒毒を消し、飲酒した人の口気を治すというので喜ばれていたようです。
柚子は香気高く、日本料理には不可欠で、食酢の代用にしたり、果皮は吸物や茶碗蒸しなどの蒸し物に吸い口として利用されます。また、柚子みそや柚子ようかん、ゆべしなどの菓子加工品や柚子こしょうや柚子七味などの調味料も多く作られています。
温州みかんと同じ柑橘類で、ビタミンCはみかんよりも多く、果汁で40mgも含まれています(果皮では150mg)。
ゆずを使ったメニューはこちら→
【ゆず(果汁)の成分値】 (100gあたり)
エネルギー (kcal) |
廃棄率 (%) |
水分 (g) |
たんぱく質 (g) |
脂質 (g) |
炭水化物 (g) |
灰分 (g) |
Na (mg) |
K (mg) |
Ca (mg) |
Mg (mg) |
P (mg) |
Fe (mg) |
Zn (mg) |
Cu (mg) |
Mn (mg) |
21 |
0 |
92.0 |
0.5 |
0.1 |
7.0 |
0.4 |
1 |
210 |
20 |
11 |
11 |
0.1 |
0.1 |
0.02 |
0.10 |
|
レチノール (μg) |
カロテン (μg) |
レチノール当量 (μg) |
VD (μg) |
VE (mg) |
VK (μg) |
VB1 (mg) |
VB2 (mg) |
ナイアシン (mg) |
VB6 (mg) |
VB12 (μg) |
葉酸 (μg) |
パントテン酸 (mg) |
VC (mg) |
(0) |
7 |
1 |
(0) |
0.2 |
(0) |
0.05 |
0.02 |
0.2 |
0.02 |
(0) |
11 |
0.29 |
40 |
|
飽和脂肪酸
(g) |
一価不飽和脂肪酸
(g) |
多価不飽和
脂肪酸
(g) |
コレステロール
(mg) |
水溶性
食物繊維
(g) |
不溶性
食物繊維
(g) |
食物繊維総量
(g) |
食塩相当量
(g) |
- |
- |
- |
(0) |
0.3 |
0.1 |
0.4 |
0 |
((0):測定をしていないが文献などから含まれていないと推定されるもの、−:測定していないもの)
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参考 「食べ物語源辞典」 東京堂出版 , 「原色食品図鑑」 建帛社 , 「五訂食品成分表」 |
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