中央アジア地方原産のバラ科の落葉高木で、日本へは明治5年にアメリカより輸入されました。春、枝頂に微紅色の五弁花をつけ、花托が発達し果肉となります。主産地は東北地方や長野県で、祝,旭などの早稲種のほか、紅玉,国光,デリシャス系,ふじ,むつ,王林など多数の品種が栽培されていますが新品種の試作が盛んです。
りんごの糖分は約13%でその約1/2が果糖です。有機酸は主にリンゴ酸で.0.12〜0.65%を含み、またペクチン含量は0.5〜1.2%で、柑橘類と同様、ジャムやゼリーなどの材料になります(ゼリー化は、ペクチン質1.0〜1.5%、酸0.3〜1.5%(pH:2.8〜3.5)、糖60〜70%の範囲内でおこり、どれか1成分が不足しても凝固力は弱くなります)。
りんごにはポリフェノールの一種であるタンニン類が0.02〜0.65%含まれています。切ってそのまま放置すると褐変するのは、そのポリフェノール類がポリフェノールオキシターゼなどの酵素によってキノン類に変化し、そのキノン類がさらに酸化縮合して着色物質を生じるためです。食塩水によって酵素の作用が阻害されるので、1%の食塩水につけると褐変を防ぐことができます。また、銅,鉄などによって活性化されるので調理用具にも気をつけたいですね。
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【りんごの成分値】 (100gあたり)
エネルギー (kcal) |
廃棄率 (%) |
水分 (g) |
たんぱく質 (g) |
脂質 (g) |
炭水化物 (g) |
灰分 (g) |
Na (mg) |
K (mg) |
Ca (mg) |
Mg (mg) |
P (mg) |
Fe (mg) |
Zn (mg) |
Cu (mg) |
Mn (mg) |
54 |
15 |
84.9 |
0.2 |
0.1 |
14.6 |
0.2 |
Tr |
110 |
3 |
3 |
10 |
Tr |
Tr |
0.04 |
0.03 |
|
レチノール (μg) |
カロテン (μg) |
レチノール当量 (μg) |
VD (μg) |
VE (mg) |
VK (μg) |
VB1 (mg) |
VB2 (mg) |
ナイアシン (mg) |
VB6 (mg) |
VB12 (μg) |
葉酸 (μg) |
パントテン酸 (mg) |
VC (mg) |
(0) |
21 |
3 |
(0) |
0.2 |
Tr |
0.02 |
0.01 |
0.1 |
0.03 |
(0) |
5 |
0.09 |
4 |
|
飽和脂肪酸
(g) |
一価不飽和脂肪酸
(g) |
多価不飽和
脂肪酸
(g) |
コレステロール
(mg) |
水溶性
食物繊維
(g) |
不溶性
食物繊維
(g) |
食物繊維総量
(g) |
食塩相当量
(g) |
0.01 |
0 |
0.02 |
0 |
0.3 |
1.2 |
1.5 |
0 |
(Tr:含まれているが最小記載量に達していない、(0):測定をしていないが文献などから含まれていないと推定されるもの)
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参考 「原色食品図鑑」 建帛社 , 「食品学各論」 同文書院 , 「五訂食品成分表」 |
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