西アジア原産、イランで栽培され、その後東西に分かれて伝わりました。ヨーロッパ経由の丸葉の西洋種と中国経由の葉に切れ込みのある東洋種のものがあります。現在日本では多くの品種のほうれんそうがありますが、西洋種、東洋種、ふたつの品種をかけ合わせた交配種の三種に大別されています。
現在は夏採りのものも出回っていますが、元来ほうれんそうは冬の野菜です。夏には緑の野菜が少なくなるので、夏ほうれんそうの産地が誕生したようですが、夏のほうれんそうにはビタミンC含有量が少ないことがわかりました。五訂食品成分表にも記載の通り、夏採りの場合20mg/100g、冬採りの場合60mg/100gと冬採りに比べてビタミンC含有量が1/3にもなっています。
ほうれんそうには独特の香りと味がありますが、その味に関係ある成分として、糖質の中の糖分とシュウ酸を主成分とした「あく」といわれるものが挙げられます。あまり多いシュウ酸はえぐ味渋味として食味をおとしかねませんが、少量のシュウ酸はほうれんそうの一つの持ち味になっています。シュウ酸は茹で汁中に溶け出したり、水さらしでも溶け出ます。ただし、長時間茹でたり水にさらしたりするとほうれんそうのおいしさや水溶性の栄養分も損なわれますので、短時間に手際良く茹で水さらしをするのがコツです。
ほうれんそうを使ったメニューはこちら→
【ほうれんそうの成分値】 (100gあたり)
エネルギー (kcal) |
廃棄率 (%) |
水分 (g) |
たんぱく質 (g) |
脂質 (g) |
炭水化物 (g) |
灰分 (g) |
Na (mg) |
K (mg) |
Ca (mg) |
Mg (mg) |
P (mg) |
Fe (mg) |
Zn (mg) |
Cu (mg) |
Mn (mg) |
20 |
10 |
92.4 |
2.2 |
0.4 |
3.1 |
1.7 |
16 |
690 |
49 |
69 |
47 |
2.0 |
0.7 |
0.11 |
0.32 |
|
レチノール (μg) |
カロテン (μg) |
レチノール当量 (μg) |
VD (μg) |
VE (mg) |
VK (μg) |
VB1 (mg) |
VB2 (mg) |
ナイアシン (mg) |
VB6 (mg) |
VB12 (μg) |
葉酸 (μg) |
パントテン酸 (mg) |
VC (mg) |
(0) |
4200 |
700 |
(0) |
2.1 |
270 |
0.11 |
0.20 |
0.6 |
0.14 |
(0) |
210 |
0.20 |
35 |
|
飽和脂肪酸
(g) |
一価不飽和脂肪酸
(g) |
多価不飽和
脂肪酸
(g) |
コレステロール
(mg) |
水溶性
食物繊維
(g) |
不溶性
食物繊維
(g) |
食物繊維総量
(g) |
食塩相当量
(g) |
0.04 |
0.02 |
0.17 |
0 |
0.7 |
2.1 |
2.8 |
0 |
(Tr:含まれているが最小記載量に達していない、(0):測定をしていないが文献などから含まれていないと推定されるもの、−:測定していないもの)
|
参考 「日本の野菜」 中公新書 , 「五訂食品成分表」 |
|