北アフリカまたはカスピ海南部の原産といわれ、日本へは8世紀頃中国から伝わってきました。『蚕豆』と書くのは、成熟したサヤの形が蚕の形に似ているからとも、養蚕の時期に成熟するからともいわれています。さやが空に向かってつくので『空豆』とも書きます。また、地方名が多く、九州では中国からきたということで『唐豆』とか『胡豆』ともいい、花が南へ向かって咲くので『南豆』、四国では『四月豆』、駿河伊豆では『五月豆』、中国地方や出雲では『夏豆』などと呼ばれています。
種実用とむき身用があり、胚乳部に旨味があり、用途は様々です。種実用は炒り豆,あげ豆,あんなどに使われ、むき身用は塩ゆで,豆ご飯,煮物,あん,きんとんなどに利用されます。『おたふくまめ』というのは一粒の豆の姿が、おたふくの顔に似ているところからきたようで、大粒のそらまめを糖度50%以上の甘味にしたものをいうそうです。
そらまめは、完熟種子を利用する場合と未熟種子を利用する場合があります。野菜類に分類されているそらまめは後者の方で、完熟種子は豆類に分類されています。おたふく豆やあげ豆(フライビーンズ)は豆類になります。
炭水化物とたんぱく質が主成分で、たんぱく質は野菜類の中では枝豆,落花生などの次に多くなっています。緑黄色野菜には分類されていませんが、カロテンも多く100g中240μg(えだまめ:260μg、らっかせい:5μg、緑黄色野菜:600μg以上)含まれています。
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【そらまめの成分値】 (100gあたり)
エネルギー (kcal) |
廃棄率 (%) |
水分 (g) |
たんぱく質 (g) |
脂質 (g) |
炭水化物 (g) |
灰分 (g) |
Na (mg) |
K (mg) |
Ca (mg) |
Mg (mg) |
P (mg) |
Fe (mg) |
Zn (mg) |
Cu (mg) |
Mn (mg) |
108 |
25 |
72.3 |
10.9 |
0.2 |
15.5 |
1.1 |
1 |
440 |
22 |
36 |
220 |
2.3 |
1.4 |
0.39 |
0.21 |
|
レチノール (μg) |
カロテン (μg) |
レチノール当量 (μg) |
VD (μg) |
VE (mg) |
VK (μg) |
VB1 (mg) |
VB2 (mg) |
ナイアシン (mg) |
VB6 (mg) |
VB12 (μg) |
葉酸 (μg) |
パントテン酸 (mg) |
VC (mg) |
(0) |
240 |
40 |
(0) |
0.2 |
18 |
0.30 |
0.20 |
1.5 |
0.17 |
(0) |
120 |
0.46 |
23 |
|
飽和脂肪酸
(g) |
一価不飽和脂肪酸
(g) |
多価不飽和
脂肪酸
(g) |
コレステロール
(mg) |
水溶性
食物繊維
(g) |
不溶性
食物繊維
(g) |
食物繊維総量
(g) |
食塩相当量
(g) |
0.03 |
0.01 |
0.05 |
(0) |
0.2 |
2.4 |
2.6 |
0 |
((0):測定をしていないが文献などから含まれていないと推定されるもの)
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参考 「たべもの語源辞典」 東京堂出版 , 「食品学各論」 同文書院 , 「五訂日本食品標準成分表」 |
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