北海道南部以南の内湾の砂泥にすむ海産の二枚貝です。『雀海に入って蛤となる』の故事のように、貝殻の模様は雀の羽の模様と同様に個体によって様々です。はまぐりは粘液を吐いて体重を軽くしながら潮の流れに乗って移動するという不思議な習性を持っています。中国では、蜃(大はまぐり)が吐く気で海中から楼台の形があらわれるという考えから、はまぐりが吐き出す不思議なものを蜃気楼と名づけたそうです。
一つの貝殻は他の貝殻とは合わないので、平安時代から貝合わせの遊びに使われていました。また、これが一夫一婦の教えとなって結婚式などのお祝い事にはまぐりが用いられるようになったそうです。
新鮮なはまぐりの見分け方として、殻の色つやがよく、表面がなめらかなもの、殻が固く閉じているもの、そしてはまぐりどうし殻をぶつけあって高く澄んだ音のするものが良く、むき身は貝柱がついていて、透明感のあるものが良いものです。
砂の吐かせ方はあさりと同様で、1〜2%の食塩水に室温で数時間以上つけておきます。調理法も様々で、大きなものは焼きはまぐり、酒蒸し、小さなものはうしお汁、クラムブロス(スープ)など、またむき身は鍋、チャウダー、炊きこみご飯、フライなどに利用されます。
はまぐりを使ったメニューはこちら→
【はまぐりの成分値】 (100gあたり)
エネルギー (kcal) |
廃棄率 (%) |
水分 (g) |
たんぱく質 (g) |
脂質 (g) |
炭水化物 (g) |
灰分 (g) |
Na (mg) |
K (mg) |
Ca (mg) |
Mg (mg) |
P (mg) |
Fe (mg) |
Zn (mg) |
Cu (mg) |
Mn (mg) |
38 |
60 |
88.8 |
6.1 |
0.5 |
1.8 |
2.8 |
780 |
160 |
130 |
81 |
96 |
2.1 |
1.7 |
0.10 |
0.14 |
|
レチノール (μg) |
カロテン (μg) |
レチノール当量 (μg) |
VD (μg) |
VE (mg) |
VK (μg) |
VB1 (mg) |
VB2 (mg) |
ナイアシン (mg) |
VB6 (mg) |
VB12 (μg) |
葉酸 (μg) |
パントテン酸 (mg) |
VC (mg) |
7 |
25 |
11 |
(0) |
0.5 |
Tr |
0.08 |
0.16 |
1.1 |
0.08 |
28.4 |
20 |
0.37 |
1 |
|
飽和脂肪酸
(g) |
一価不飽和脂肪酸
(g) |
多価不飽和
脂肪酸
(g) |
コレステロール
(mg) |
水溶性
食物繊維
(g) |
不溶性
食物繊維
(g) |
食物繊維総量
(g) |
食塩相当量
(g) |
0.08 |
0.04 |
0.11 |
25 |
(0) |
(0) |
(0) |
2.0 |
(Tr:含まれているが最小記載量に達していない、(0):測定をしていないが文献などから含まれていないと推定されるもの)
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参考 「たべもの語源辞典」 東京堂出版 , 「原色食品図鑑」 建帛社 , 「五訂食品成分表」 |
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