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 里芋はインドと中国南部地方の原産で、親いもだけを食べる「親芋種」と親いもも子いもも食べる「親子芋兼用種」、それから子いもや孫いもだけを食べる「子芋用種」とに分けられています。品種は多く、煮ころがしやお月見の時にお供えする石川早生や土垂れなどの小さい里芋は「子芋用種」、八つ頭やエビイモなどは「親子兼用種」、京イモとか竹の子芋と呼ばれる細長い里芋や主に沖縄で食べられている水芋(田芋)は「親芋種」になります。また里芋の葉の部分であるズイキは酢の物や和え物として食べられています。
 栄養成分は水分が70%〜85%程度、炭水化物が15%〜30%くらいで炭水化物の約70%がでんぷんです。里芋のでんぷん粒の大きさは他の芋類に比べてかなり小さく、加熱によって簡単に糊化(α化)するので消化・吸収か良いようです。
 京都独特の料理で「いもぼう」というものがあります。いも棒とはエビイモと棒鱈とを柔らかく炊き合わせた京都のおばんさいです。京都は山に囲まれた地形のため、交通手段の遅れていた時代には新鮮な魚を手に入れることが難しく、料理素材の中心は野菜でした。また、寺院が多く精進料理が発達したことなどから、京都特産の野菜(京野菜)が栽培されてきました。いも棒に使われるエビイモも京野菜の一つです。

   【さといもの成分値】

エネルギー
(kcal)
廃棄率
(%)
水分
(g)
たんぱく質
(g)
脂質
(g)
炭水化物
(g)
灰分
(g)
Na
(mg)
K
(mg)
Ca
(mg)
Mg
(mg)
P
(mg)
Fe
(mg)
Zn
(mg)
Cu
(mg)
Mn
(mg)
58 15 84.1 1.5 0.1 13.1 1.2 Tr 640 10 19 55 0.5 0.3 0.15 0.19
レチノール
(μg)
カロテン
(μg)
レチノール当量
(μg)
VD
(μg)
VE
(mg)
VK
(μg)
VB1
(mg)
VB2
(mg)
ナイアシン
(mg)
VB6
(mg)
VB12
(μg)
葉酸
(μg)
パントテン酸
(mg)
VC
(mg)
(0) 5 1 (0) 0.6 (0) 0.07 0.02 1.0 0.15 (0) 30 0.48 6
飽和脂肪酸
(g)
一価不飽和脂肪酸
(g)
多価不飽和
脂肪酸
(g)
コレステロール
(mg)
水溶性
食物繊維
(g)
不溶性
食物繊維
(g)
食物繊維総量
(g)
食塩相当量
(g)
0.01 Tr 0.03 (0) 0.8 1.5 2.3 0
            (Tr:含まれているが最小記載量に達していない、(0):測定をしていないが文献などから含まれていないと推定されるもの)

   参考 「日本の野菜」 中公新書 ,  「原色食品図鑑」 建帛社 ,  「五訂食品成分表」