梨は古くから日本にある食べ物で弥生後期には食用とされていたようです。日本なし、中国なし、西洋なしに分けられ、日本なしと中国なしは同種であるといわれています。その中に「二十世紀」に代表される青梨と「長十郎」に代表される赤梨があります。
二十世紀は鳥取県・長野県が主な生産地で秋梨の約40%を占めます。梨の実を病気や害虫などから守るため、ひとつひとつの果実を袋で覆って保護する作業が必要となります。丹精込めて作られた梨の収穫時期は生産地で多少異なりますが、8月下旬から9月中旬にかけてです。一方、長十郎の主な生産地は千葉県で関東中心で生産されています。二十世紀とは異なり袋をかけなくてもよく、収穫時期は8月中旬からです。
西洋なしはヨーロッパ北部地方原産のもので、日本なしと形が異なり瓶形をしています。肉質が柔らかくとてもおいいしいものですが、もぎ取ってからすぐに食べることができないので食べごろが難しく、食べ頃を間違うとおいしくないそうです。
主要な成分は水で含有量は88%ですが、他の果物と比べてもわかるようにビタミンの含有量がとても少ないことが挙げられます(カロテン:柿420μg/100g、ぶどう21μg/100g、梨0μg/100g ビタミンC:柿70mg/100g、ぶどう2mg/100g、梨3mg/100gなど)。けれども同じ水分含有量の果物よりみずみずしさを感じることができることから、梨は「水菓子」と呼ばれるのにふさわしい果物といえるでしょう。
なしを使ったメニューはこちら→
【なしの成分値】
エネルギー (kcal) |
廃棄率 (%) |
水分 (g) |
たんぱく質 (g) |
脂質 (g) |
炭水化物 (g) |
灰分 (g) |
Na (mg) |
K (mg) |
Ca (mg) |
Mg (mg) |
P (mg) |
Fe (mg) |
Zn (mg) |
Cu (mg) |
Mn (mg) |
43 |
15 |
88.0 |
0.3 |
0.1 |
11.3 |
0.3 |
Tr |
140 |
2 |
5 |
11 |
0 |
0.1 |
0.06 |
0.04 |
|
レチノール (μg) |
カロテン (μg) |
レチノール当量 (μg) |
VD (μg) |
VE (mg) |
VK (μg) |
VB1 (mg) |
VB2 (mg) |
ナイアシン (mg) |
VB6 (mg) |
VB12 (μg) |
葉酸 (μg) |
パントテン酸 (mg) |
VC (mg) |
(0) |
0 |
(0) |
(0) |
0.1 |
(0) |
0.02 |
Tr |
0.2 |
0.02 |
(0) |
6 |
0.14 |
3 |
|
飽和脂肪酸
(g) |
一価不飽和脂肪酸
(g) |
多価不飽和
脂肪酸
(g) |
コレステロール
(mg) |
水溶性
食物繊維
(g) |
不溶性
食物繊維
(g) |
食物繊維総量
(g) |
食塩相当量
(g) |
- |
- |
- |
0 |
0.2 |
0.7 |
0.9 |
0 |
(Tr:含まれているが最小記載量に達していない、(0):測定をしていないが文献などから含まれていないと推定されるもの、-
:測定していないもの)
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参考 「食べ物のメリット・デメリット」 農文協 , 「たべもの語源辞典」 東京堂出版 , 「五訂食品成分表」
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