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 柿の栽培の歴史は古く、日本及び中国原産の果物です。品種は多く、約200種あるといわれています。また甘柿と渋柿に分類され、甘柿の中では富有、次郎が二大勢力です。富有は果肉が柔らかく、次郎は硬くコリコリとした歯ごたえが楽しめます。
 どの品種でも共通したおいしい柿の見分け方というのは残念ながらありません。ただ、「よい柿」の選び方なら、柿全体に共通することがあります。それは、ヘタの部分を見ることで、ヘタが実にピッタリくっついて隙間のないものを選ぶことです。ヘタと実の間に隙間があると、その隙間から虫が入ることがあります。虫が入ると、その部分の色が熟れたように赤く変色して、果肉が軟らかくなってしまいます。一般に色が赤い方がおいしいともいわれますが、虫が入っているということもあるので注意してヘタを見ることをお勧めします。(それが必ずしもおいしい条件ということではありませんが・・・)。
 渋柿の渋味の原因は、正確にはタンニン性物質、シブオールです。シブオ−ルは水溶性のため、口に入れると溶け出して味覚神経を収斂(しゅうれん)させ強烈な渋みを感じさせます。水溶性のタンニンが不溶性になると、なぜか渋くなくなります。俗にいう「渋抜き(脱渋)」とは、この水溶性のタンニンを不溶性に変えることです。よく柿を食べていると、黒いゴマ状の固まりを見ますが、これが不溶性になったタンニンなんだそうです。
 柿に含まれる成分の特徴といえば、炭水化物やビタミンC・カロテンなどのビタミン類が多いことです。柿の糖質は果糖とブドウ糖でショ糖はありません。ビタミンCは100g中甘柿で70mg、渋抜き柿で55mg含まれており、いちご(62mg/100g)やみかん(35mg/100g)などと比べても引けを取らないくらいの含有量です。また、カロテンの量は100g中420mg(甘柿)で、緑黄色野菜とされている青ピーマン(400mg/100g)とほぼ同量含まれています。

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   【かきの成分値】
エネルギー
(kcal)
廃棄率
(%)
水分
(g)
たんぱく質
(g)
脂質
(g)
炭水化物
(g)
灰分
(g)
Na
(mg)
K
(mg)
Ca
(mg)
Mg
(mg)
P
(mg)
Fe
(mg)
Zn
(mg)
Cu
(mg)
Mn
(mg)
60 9 83.1 0.4 0.2 15.9 0.4 1 170 9 6 14 0.2 0.1 0.03 0.5
レチノール
(μg)
カロテン
(μg)
レチノール当量
(μg)
VD
(μg)
VE
(mg)
VK
(μg)
VB1
(mg)
VB2
(mg)
ナイアシン
(mg)
VB6
(mg)
VB12
(μg)
葉酸
(μg)
パントテン酸
(mg)
VC
(mg)
(0) 420 70 (0) 0.1 (0) 0.03 0.02 0.3 0.06 (0) 18 0.28 70
飽和脂肪酸
(g)
一価不飽和脂肪酸
(g)
多価不飽和
脂肪酸
(g)
コレステロール
(mg)
水溶性
食物繊維
(g)
不溶性
食物繊維
(g)
食物繊維総量
(g)
食塩相当量
(g)
0.02 0.04 0.03 0 0.2 1.4 1.6 0
                            ((0):測定をしていないが文献などから含まれていないと推定されるもの)

   参考 「原色食品図鑑」 建帛社 ,  「うまい食材・食品を見抜く知恵」 河出書房新社 ,  「五訂食品成分表」
       www.mint-j.com/fruit/01/k01.htm