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 ぶどうは世界的に生産量の多い果実の中の一つです。西アジア原産の欧州ぶどうと米国産、これらの雑種など多くのものが生産されています。日本には養老年間(720年ころ)に行基菩薩によって中国より伝えられ、山梨県の勝沼に日本最初のぶどう(甲州ぶどう)が誕生しました。現在では山梨に次いで、山形、長野、岡山などで生産されています。
 生食用にはマスカット、巨峰、ネオマスカット、デラウェアなどが栽培され、この他ぶどう酒用には甲州種、ベリーA、カベルネ、セミヨン、シャルドネなどが用いられています。なお、種無しぶどうは、植物成長ホルモンの一つであるジベレリンで処理し、種の成熟前に果実が熟すようにしたもので、デラウェア種の大部分はこの方法で処理され、生食用になります。
 主要成分はブドウ糖で、糖質14〜15%を含みます。食後にぶどうを食べると消化を助け、ヨーロッパにはブドウ療法というものがありました。フランス、ドイツでは胃疾患、痛風、尿酸結石、下痢、便秘に良いと言われ、腎臓、泌尿器、肝臓などの病気の治療にブドウが使われました。ブドウが病気の治療に良いというのは、主要成分のブドウ糖がすぐに吸収されるからであろうと考えられます。また、消化を助ける酒石酸も含まれ、その他リンゴ酸や微量のクエン酸も含みます。
 ぶどうの加工品には、ぶどう酒、ジュース、乾果、ゼリー、ジャムなどがあります。加工品の中でも大部分を占めるぶどう酒ですが、一般に赤ぶどう酒は濃色のぶどうを破砕し、果皮を除かず発酵させたもので、白ぶどう酒は淡色のぶどうを破砕し、果皮を除いて果汁を発酵させて作られます。数年前、赤ワイン(原意は赤ぶどう酒)にポリフェノールが多く含まれるとして注目されましたね。ポリフェノールとは、植物に含まれる色素、苦味、渋味、あく成分のことです。期待される効果としては抗酸化作用で、体の中で発生する活性酸素の有害作用を阻止するので、色々な病気の予防になると考えられています。

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   【ぶどうの成分値】                                          (100gあたり)

エネルギー
(kcal)
廃棄率
(%)
水分
(g)
たんぱく質
(g)
脂質
(g)
炭水化物
(g)
灰分
(g)
Na
(mg)
K
(mg)
Ca
(mg)
Mg
(mg)
P
(mg)
Fe
(mg)
Zn
(mg)
Cu
(mg)
Mn
(mg)
59 15 83.5 0.4 0.1 15.7 0.3 1 130 6 6 15 0.1 0.1 0.05 0.12
レチノール
(μg)
カロテン
(μg)
レチノール当量
(μg)
VD
(μg)
VE
(mg)
VK
(μg)
VB1
(mg)
VB2
(mg)
ナイアシン
(mg)
VB6
(mg)
VB12
(μg)
葉酸
(μg)
パントテン酸
(mg)
VC
(mg)
(0) 21 3 (0) 0.1 (0) 0.04 0.01 0.1 0.04 (0) 4 0.10 2
飽和脂肪酸
(g)
一価不飽和脂肪酸
(g)
多価不飽和
脂肪酸
(g)
コレステロール
(mg)
水溶性
食物繊維
(g)
不溶性
食物繊維
(g)
食物繊維総量
(g)
食塩相当量
(g)
0.01 Tr 0.01 0 0.2 0.3 0.5 0
            (Tr:含まれているが最小記載量に達していない、(0):測定をしていないが文献などから含まれていないと推定されるもの)

参考 「原色食品図鑑」 建帛社 ,  「たべもの語源辞典」 東京堂出版 ,  「食品学各論」 同文書院 ,  「五訂食品成分表」