【4】 ★ 風邪の予防と食生活

 風邪は最もポピュラーな病気です。誰でも年に一度や二度は風邪をひくと言われています。気温が低く乾燥した季節は風のウイルスが元気な時です。風邪は特効薬が無く、予防が肝心です。

★ ウイルスは口と皮膚から侵入

 ウイルスがどこから入ってくるかご存知ですか?鼻ではなく口と皮膚なのだそうです。口から直接器官を通って肺に入り込む経路と、皮膚の汗腺などを通って入り込む経路があります。「乾布摩擦で皮膚を強くし風邪予防」効果があるのですね。風邪予防に「うがいや手洗いが有効」といわれる理由がわかりますね。

★ リラックスしたときに風邪をひきやすい

 無理をして忙しくしているときよりも、仕事や研究が一段落しホッとした時に風邪をひいたという人は多いですね。これは体の中の自律神経の働きが影響しているのです。自律神経は、体を興奮させる交感神経と体をリラックスさせる副交感神経があります。交感神経が優位なときは体の白血球(顆粒球)が増加しウイルスを食べてくれるので風邪をひきません。しかし、体がリラックスして副交感神経が優位になると、リンパ球が増加しウイルスを体内に取り込んでしまいます。この時風邪をひくのです。
 だからといっていつも忙しくしていれば良いのではありません。無理をして体を酷使していることで抵抗力が低下しているという条件が前提です。つまり、忙しい人やストレスの多い人がリラックスした時に風邪をひきやすいということなのです。風邪の季節は無理はしないことです。 

★ 風邪対策の食事

1.皮膚やのどの粘膜を丈夫に
 ビタミンA(βカロチン)は皮膚やのどの粘膜を強くします.風邪の季節は緑黄色野菜を多めに摂りましょう。中でもカボチャはお勧めです。
2.抵抗力を高めるビタミンC
 ビタミンCはからだが免疫物質を作るとき必要です.また寒さや疲労・発熱等のストレスでたくさん消耗し、不足すると抵抗力が落ちてしまいます。みかんやキウイや緑黄色野菜・じゃがいもにもビタミンCが多く含まれています。
3.お茶で感染予防
 緑茶に含まれるカテキンに殺菌作用があることが分かり注目されています。民間療法で「風邪をひいたらお茶でうがいをする」地方もあります。冬は冷たいジュースよりも、暖かいお茶や紅茶を飲みましょう。
4.ヨーグルトで腸内の善玉菌を増やしておこう
 風邪をひくと胃腸の働きが悪くなる人が多いです。腸内にはたくさんの細菌が住んでいますが、善玉菌と悪玉菌のバランスがとれていると病原菌が侵入してもその増殖を防ぎ病原菌を追い出すこともできるのです。ヨーグルトの乳酸菌は善玉菌の増殖を助けます。またオリゴ糖などの食物繊維も善玉菌(ビフィズス菌)の餌になって増殖を助けます。日頃から食物繊維が不足しないようにしておくことが大切です。オリゴ糖は大豆・バナナ・ごぼう・玉ねぎに多く含まれています。