【21】 ★ 塩分のとり過ぎと高血圧の関係

 日本人の4人に1人は高血圧です。高血圧は、心臓病や脳卒中など生活習慣病と深い関わりがあります。血圧が高い状態が続くと、血管に過度の負担がかかり、 動脈硬化が進んだり血液の流れが悪くなったり、血栓ができやすくなったりします。一方、心臓は高い圧力で血液を送り続けるため、 心臓の筋肉が疲れて「心肥大」と呼ばれる状態になったりします。高血圧はさまざまな合併症を起こすのです。
 高血圧の原因のひとつは、塩分のとりすぎです。ただ、高血圧の人の中で、食塩をとりすぎると血圧が上昇する「食塩感受性高血圧」 と食塩の増減で血圧が変化しない「食塩非感受性高血圧」のタイプの人がいることが分かってきました。食塩感受性に関する遺伝子もいくつか特定されています。 自分がどのタイプかは分からないので、予防のため「食塩の摂取を控える」ことは大切なのです。また、塩分摂取と胃ガンは相関関係があり、 日本人での胃ガンは減少傾向にあり塩分摂取の低下がその要因の一つと言われています。

★ 日本人の塩分摂取量は多い

 食塩の成分であるナトリウムは、体液のバランスを調節する役割を持っています。 しかし、ナトリウムが過剰になると様々な問題を引き起こし結果として血圧を上昇させます。ナトリウムの必要量は、 1日2〜3gと言われています。真夏に大量に汗をかいた時や、下痢などは別として、ナトリウムの不足はほとんど起こりません。 日本人は平均で1日12〜13gの塩分を摂取しています。ナトリウムは不足よりも取りすぎが問題になるミネラルです。