【1】★ 野菜ジュースは野菜の代わりになるでしょうか?

 トマトジュースや人参ジュースなどが人気です。野菜不足が気になる人や甘いジュースよりも健康に良いという期待もあるようですね。 野菜ジュースといっても種類が豊富で、果物のジュースとミックスして飲みやすくしたものもあります。トマトや人参だけのジュースよりも飲みやすさが受けてミックスした野菜ジュースの方がよく売れるのだそうです。あなたはどんな野菜ジュースを飲んでいますか?

★ 野菜と野菜ジュースの違い


 野菜と野菜ジュースの大きな違いは、食物繊維の量です。野菜ジュースにする場合、普通は圧搾し汁だけを絞りますので食物繊維の一部は除かれてしまいます。
 また、野菜に多い栄養素はビタミンです。ビタミンCは水に溶けやすく熱に弱いという性質があります。ジュースにすると、元の含有量よりも20%くらい損失するといわれています。ただし、ビタミン Cは酸化防止剤として添加されている場合が多いので、トータルとしてみるとビタン はかえって多い場合もあります。緑黄食野菜に含まれるβカロテン(カロチン)は水に溶けにくいので、ジュースにしても損失は少ないようです。ミネラルの中ではカリウムが水に溶けやすい栄養素なので商品によって違いが有ります。

★ 野菜不足の解消になるか?


 野菜ジュースには食物繊維が少ないことが特徴です。 食物繊維が生活習慣病予防で注目されていることはご存知の通りです。 食物繊維の供給源の主な食品は野菜ですから、野菜ジュースだけでは食物繊維が決定的に不足します。 野菜ジュースの中の「野菜と果汁とのミックスジュース」は飲みやすい代わりに糖分が多いのが特徴です。炭酸飲料やコーラなどの清涼飲料水と比較すると、ミネラルやビタミンの含有量が多い分健康的な飲み物と言えます。果汁入りは飲みやすいので多飲しがちです。ダイエットのつもりが、かえってエネルギーや糖分を多く摂ってしまう場合もありますので、ヘルシーだからとはいえ安心は禁物です。



★ 野菜は咀嚼力を高める


 もう一つ忘れがちなのが「噛む」という口の機能の問題です。野菜と違ってジュースは噛む必要がありません。子供の時から軟らかいものばかり食べているとあごの発達が阻害されたり、歯並びが悪くなったり虫歯になりやすくなったりします。食物を噛む(咀嚼)ことは、飲み込みやすくしたり唾液と混和して消化を助けたりすることはよく知られていることです。噛むことは、体全体に大きな影響を及ぼしているのです。  卑弥呼の時代には1日で約4000回(復元食)噛まれていたのが、現代では平均700回でしかないことが調査(神奈川歯科大学斎藤滋教授)から分かっています。「やわらか志向」の中で噛むことの大切さが忘れられているようです。野菜をとる効用の一つは咀嚼力なのです。野菜を「噛む」ことの重要性を見直してみましょう。
 野菜は1日300g必要です。野菜ジュースは野菜が不足したときの補助食品と考え,生や過熱した野菜の摂取を心がけましょう。