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手や足がしびれることがあるのですが、心配ないでしょうか? また、どういう検査を受けたらいいでしょうか? |
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正座をしたあとにしびれが切れることは誰でも経験があると思います。
正座のあとのしびれは、同じ肢位をとっていたため下肢の神経や血管が一時的に圧迫され、その結果一過性に神経の活動性が変化するために生じると考えられています。
このように誘因が明らかで心配のいらない一過性のしびれもありますが、中にはしびれが繰り返して生じたり持続したりすることもあり、
こういった場合には器質的な疾患が存在する可能性があります。しびれをきたす疾患は障害部位別に、@末梢神経の障害、A脊髄および脊髄根の障害、B脳の病変、
C血流障害などに分けられます。中でも、頻度が高く、かつ見逃されやすいものとしては末梢神経や脊髄根の障害があります。
末梢神経障害は、手足に行く神経が何らかの原因で障害されるもので、糖尿病などに合併する多発性神経炎が有名です。
その他、手首のところで神経が慢性的に圧迫されて手のしびれを呈する手根管症候群も頻度が高いもののひとつです。
脊髄根の障害は、脊椎の変形や椎間板ヘルニアなどにより圧迫されて生じることがあります。
末梢神経や脊髄根の障害の有無およびその程度を客観的に検査する方法として、神経伝導検査や筋電図検査があります。
神経伝導検査は、神経を皮膚表面より電気刺激して、運動神経や感覚神経の反応を見る検査です。筋電図検査では、筋肉内に細い針電極を刺すことにより、
運動神経の障害や筋肉そのものの病変の有無を評価できます。いずれも少し痛みは伴いますが、神経の機能を評価できる有用な検査です。
しびれを生じる原因はさまざまですので、早めに医師に相談されることをお勧め致します。
医仁会武田総合病院 神経内科医長
小島康祐
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