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肺がんは苦しいと聞きますがほんとうですか? |
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病気が進行すると苦しくなることが多いですが、苦痛をとる治療いわゆる緩和治療も進歩しておりますので、苦痛のないよう我々も最大限の努力をさせていただいております。
もちろん早期発見できれば根治できる可能性も十分にあります。
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早期発見のためには、どんな検査をするのでしょうか? |
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一般的な検査としては胸部レントゲン写真ですが、CT(断層写真)を追加撮影されることをおすすめします。
レントゲン写真では心臓や横隔膜の裏に隠れてしまう部位、鎖骨や肋骨に重なる部位など、専門家が見ても見つけにくい場所があります。
肺がんは、まだまだ増加傾向にありますので、早期発見のためには50 歳以上の方は年に一回、胸部CT写真を撮ることをおすすめします。
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呼吸器外科では、どのような病気を診察されるのでしょうか? |
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胸の中で心臓と大血管を除くすべての部位に関して診療しております。
中心となるのは肺の疾患で、やはり肺癌が一番多いです。
悪性疾患だけではなく良性の肺腫瘍もあります。
そのほかには縦隔腫瘍、胸壁腫瘍、横隔膜疾患などです。
良性疾患のなかで一番多いのは気胸という病気で、これは肺に小さな穴があいてしまって肺から空気が漏れてしまう病気です。
特殊なものとしては重症筋無力症に対する胸腺摘出術、手掌多汗症に対する交感神経切除術などがあります。
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肺がんが発見された場合、治療法はどのようになるのでしょうか? |
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がんの治療は、手術、抗がん剤による化学療法、放射線治療の組み合わせによって行います。
発見した時点の状況によってどの治療がいいかというのを考えて、患者さまとも相談の上、どのようにするかを決めます。
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肺がんで治療を受けに来る方というのは多いのでしょうか?/FONT> |
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肺がんは近年増加傾向にあります。
以前は、日本人は胃がんが圧倒的に多かったのですが、1993年(平成5年)から男性では肺がんが胃がんを抜いて、がん死亡率の1位になりました。
女性では胃がんに次ぐ2位です。
男女比は、3対1くらいで男性に多く見られます。
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肺がんの原因はタバコというイメージがありますが。 |
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現在、肺がんの原因として因果関係がはっきりしているのはタバコだけです。
一般的にはがんは遺伝子の病気ということで、がんを作るもしくは抑制する遺伝子の研究が勧められていますが、まだまだ解明されていない部分が数多くあります。
現時点でできる予防策といえばやはり禁煙しかありません。
自分が吸うのはもちろんですが、横の人からの煙を吸う受動喫煙の方がリスクは4倍増えるという説があります。
最近は「嫌煙権」という言葉もあって、そういう権利も認められつつあります。
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若い世代は、大丈夫でしょうか? |
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若い頃から喫煙を始めた人、つまり喫煙期間が長い方が、圧倒的にがんの発生率は高くなるというデータがあります。
非喫煙者に比べると、10代で喫煙を始めてしまうと、肺がんになる可能性は6倍と言われています。
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普段の生活で予防のために気をつけることというのは何がありますか? |
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まずは禁煙。そして一般的なことになりますが、十分バランスの取れた食事を取り、規則正しい生活をする、ということですね。
医仁会 武田総合病院
呼吸器外科 部長 鈴村 雄治
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