花粉症とはどのような病気ですか?
花粉症とはどういう病気ですか?


植物の花粉で引き起こされるアレルギー性の病気です。いわゆるアレルギー性鼻炎で、症状はくしゃみ、鼻水、鼻づまりそして目のかゆみです。 有病率は15〜20%です。
花粉症がこんなに増えたのは何か理由があるのでしょうか?


花粉症といえばスギ、ヒノキ花粉です。 戦後、昭和20年代後半から40年代後半の植林事業に始まります。スギは樹齢25〜30年で大量の花粉をつけるので、それが昭和50年以後の大量飛散につながっています。 加えて 1.食生活の変化(欧米化) 2.住環境(気密性の高い住居でダニが増加) 3.大気汚染(ディーゼルエンジンから排出される浮遊粒子状物質)などがアレルギー環境を作っているといえます。
花粉のシーズンはどうすればよいのでしょうか?


花粉症対策には生活管理(セルフケア)が欠かせません。 その上での治療(メディカルケア)です。
セルフケアといっても難しそうですが?


簡単なことからでいいですから、生活管理の基本は花粉との接触をできる限り避けることです。気象予報や新聞、TVでの花粉情報(いつ、どれだけ花粉が飛ぶのか)を知ることです。例えば 1.カラリと晴れた 2.風の強い 3.雨が降った翌日などは花粉が多く飛びます。又、外出時のメガネ、マスク、空気清浄機は有効です。
治療方法はどうでしょうか?


1.薬 2.手術 3.免疫療法になります。 お薬の治療が主になります。抗ビスタミン剤やステロイド噴霧(点鼻)などで、花粉飛散の初期から症状を起こりにくくする予防的治療(初期療法)を中心に症状を抑えていきます。
最近新しい機械を使った治療法があると聞いたのですが?


鼻の粘膜焼却術です。宇治武田病院ではアルゴンプラズマ凝固装置を使っています。 高周波手術の一つですが、イオン化したアルゴンガスを使うことで組織の表面を凝固・焼却します。
どのように行うのでしょうか?


外薬で局所麻酔(表面麻酔)をし、鼻用の硬性内視鏡を使って、両方で20〜30分程度でできます。出血や痛みはほとんどありません。手術の後2週間後くらいから効果が表れるので、花粉の本格飛散の前に行うとよいと思います。
免疫療法とはどのようなものですか?


減感作療法といいます。 アレルギーの原因物質を少量ずつ、徐々に体に入れることで、アレルギー反応を起こしにくくする方法です。 現在は皮下注射が主で2〜3年はかかる根気のいる治療ですが、経口(舌下法)での臨床試験が行われています。
                                    宇治武田病院
                                       耳鼻咽喉科 部長 和田 公平
戻る
Copyright by Health & Nutrition Information 2001-2005