健康栄養インフォメーション


◇◆ 年末年始に多い酒がらみの病気 ◆◇

ここでの話題 ◆ 脂肪肝
 年末年始はお酒がつきもの。医者泣かせの季節でもある。
 42歳の営業部のFさん。身長167センチ、体重68キロともともと小太りだったが、秋口から急に5キロも太ったため、奥さんにせっつかれていやいや来院した。 調べてみると肝機能検査でGOT81単位、GPT102単位、γ-GTP167単位と悪化している。
 脂肪肝ですねと結論すると、Fさんいわく「じゃ、大したことないですね」と奥さんの心配顔をよそに帰り支度。「禁酒できますか」とやり返すと、Fさんの表情が一変し、 「それはむちゃですよ」と座り直す。
 肝臓は1.2キロもある大きな臓器で、種々の代謝や解毒のセンターである。通常は2〜4パーセントの脂肪含量であるが、5パーセント以上になると病的で脂肪肝となる。 肥満、糖尿病、アルコールが3大原因。肝臓を傷めるだけでなくしばしば種々の生活習慣病(成人病)のべースになる。
 男性の10パーセント、女性の3パーセントに見られ、糖尿病で50パーセント、肥満の人では50〜80パーセントの人にある。日本酒で5合を連日飲むと4週間くらいで起こり、 3合でも5年くらいという。
 アルコールだけでなく、じつは甘いものも原因になりうる。アルコールや糖を多くとると、血液にインスリンが通常より多く分泌され、肝臓で脂肪を増産する。 インスリンは脂肪をつくらせるホルモンでもある。ただ、甘いものはお酒ほど一度に多量にとることが少なく、むしろ結果としての肥満が問題となる。
 治療は節酒か禁酒・体重の管理(減量)、運動となるが、ポイントは一時的に大量のアルコールや糖を血中に入れないこと。暴飲暴食が悪いことになる。
 「そういわれれば、秋から年の暮れにかけてよく飲んでますね、仕事なんですけど」と奥さんを意識してか言い訳口調のFさん。「正月には初詣ででもして体を動かします」 と奥さんをホッとさせた。



せめて「暴食」は避けようと、酒ばかり飲むのもよくない。豆腐サラダや枝豆など、高たんぱく低カロリー、 高ビタミンのつまみをとりながら適量をゆっくりペースで飲もう。
『「痛い」「だるい」は生活習慣病のサイン』 西沢良記 講談社+α新書より

カルテTOPへ


京都市下京区中堂寺南町134 京都リサーチパーク内
健康栄養インフォメーションプロジェクト事務局
ご意見・ご感想は info@health-info.jp までどうぞ

本ホームページの複写・転載・ダウンロードを禁じます