糖尿病を防ぐ!

 「21世紀における国民健康づくり運動(健康日本21)」では、糖尿病の予防対策を重点項目の一つとしてあげています。
 平成9年に行われた厚生省の糖尿病実態調査によれば、糖尿病690万人、可能性のある人を含めると1370万人と推定され、40歳〜65歳では毎年1000人あたり6〜8人の新たな糖尿病患者が発生しているとの報告もあります。
①糖尿病を理解しよう
 糖尿病は、インスリンというホルモンの働きが不足して新陳代謝がうまく行かなくなり高血糖が続く病気です。放置しておくとやがて全身の血管や神経に障害が起こって、遂には、失明、尿毒症(透析)、足の潰瘍・壊疽(下肢切断)、心筋梗塞、脳梗塞(痴呆)などの深刻な合併症を引き起こします。しかし早いうちから血糖を正常に保てばこのような合併症を招くこともなく実質上健康で過ごすことができます。ただ高血糖による症状は殆ど無いので治療の必要性をなかなか理解できず、重篤な合併症が現れて初めて病気を認識する場合が多いのが実情です。糖尿病の恐さは無症状と合併症にあります。
②肥満が糖尿病を招く
 糖尿病の発症要因は、加齢と遺伝的体質を別にすれば、肥満と運動不足です。近頃の日本人の食習慣の最も大きい変化は、主食である御飯などの糖質比率が減り、脂肪特に動物脂肪の比率が増えていることです。そして電化製品の普及や交通機関の発達で身体を動かすことが少なくなり、全体に肥満傾向になってきました。動物は常に食料不足の危険にさらされながら生活してきたので、少々の食料不足や、痩せでは健康障害をきたさないようにできていますが、過食・肥満の状態で健康を保つ仕組みはできていません。食料の乏しい環境に適応してきた人間が、急に飽食になり肥満になった結果出てきたのが、糖尿病であり各種の生活習慣病です。
③糖尿病にならないためには
 糖尿病の予防は、肥満しないこと、すなわち適正な食事と適度の運動が基本です。これは同時に高血圧・心臓病・がんなどの予防にもつながることです。
A 特に食習慣の改善が肝要です。
・ 朝食抜きは不健康のもと、朝食をきちんと食べましょう。
・ 脂身の多い肉類は避けて魚類、植物油に切り替えましょう。
・ 野菜特に緑黄色野菜を増やす。一日300グラムは食べましょう。
・ いも、南瓜は青野菜ではなく糖質食品ですので注意してください。
B 運動習慣を身につける。
・ 日常生活のなかで身体を動かす場面をできるだけ増やす。
・ 比較的軽い運動をできるだけ毎日、規則的に行なう。
・ 一日200〜300キロカロリーを運動で消費しましょう。
・ それには歩くのが一番です。一日7000〜8500歩、10,000歩を目標に。
・ 運動は食後1〜2時間の間に行なう。空腹時の運動は時に有害です。
■こんな食生活をしていませんか?
・ 腹一杯食べないと気がすまない。
・ 目の前にあるものは皆食べてしまう。
・ おしゃべりしながらつまみ食いする。
・ 口の中のものを飲み込む前に次のものを食べる。
・ 誘われたから断れない、勧められたからしかたがない。
・ 朝食が少なく、夜たっぷり食べる。
・ 夕食がすんだあと何か食べる。
・ 運動したあと食べる。
・ 空腹でないのに習慣で食べてしまう。

                                    医仁会武田総合病院 糖尿病センター
                                              センター長 森本 昌親

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