突然死に見まわれないために

● 突然死を招く心疾患
 最近、働き盛りの中高年の突然死が急増していますが、その最大の原因が心筋梗塞だといわれています。ゴルフのプレー中に倒れ不帰の人となったか、会議中に発作に襲われ急死したなど皆様の周囲でも耳にされることがあると思います。
 心臓の栄養血管である冠動脈が動脈硬化や痙攣などのために狭くなり、酸素の需要と供給のバランスが崩れた状態を狭心症、血栓などで完全に閉塞され心筋が壊死してしまった状態を心筋梗塞とよび、虚血性心疾患と称します。また、心筋梗塞に移行しやすいと考えられる狭心症を不安定狭心症、不安定狭心症から急性心筋梗塞へ、さらには心臓突然死にいたる一連の病態を急性冠症候群と呼び、冠動脈硬化によって生じたプラーク(コレステロールを含む、かさぶた状のもの)が破綻し、血栓が付着して血流が阻害されることが原因と考えられています。
● 生活習慣病とは
 すでにかなり前から、心臓病が日本人の死因の第2位を占めるようになり、その大部分はこれらの虚血性心疾患の増加によります。そこで、いかに心臓病で死なないようにするか、どうしたら予防できるかを真剣に考える必要があります。病気の発症は突然でもその長い間の生活習慣の積み重ねに起因することも多く、生活習慣病と呼ばれます。
 その一つである虚血性心疾患の危険因子の主なものは高血圧症、高脂血症、糖尿病、肥満(「死の四重奏」と言われます。)及び、喫煙などです。これらの危険因子を多く併せ持っている人は動脈硬化が進みやすく、発病する可能性が高くなります。なかでも食生活の欧米化と運動不足などにより、高コレステ□-ル血症の人が目立ち、健康診断で指摘された方も少くないと思います。日本人の脂肪摂取量はエネルギー摂取中の25%を越え、血清総コレステロール値も年々高くなり、それに伴って動脈硬化性疾患の発症率が高くなっています。
 女性は閉経期以降に高くなる傾向があります。生活習慣の見直しを生活習慣改善の3本柱として、食事はバランスよく規則正しく、カ□リーの制限(標準体重x25-30)、コレステ□-ルの制限(1日摂取量300㎎以下)、糖分のとりすぎに注意、食物繊維を積極的に摂取につとめる、運動は1日-万歩以上歩く、1日30分以上週4回以上を目標に、生活は規則正しく、アルコールは遭目一里に、禁煙、ストレスをためないようにするなど今までの生活習慣を見直し、すぐ実行することが動脈硬化や心臓病の予防につながります。
 事実コレステ□-ル摂取量を徹底的に減らすことが虚血性心疾患の進展を抑制し、プラークを安定化し急性冠症侯群の発症を予防することが疫学的調査で報告されています。こうした生活習慣の改善とともに、心臓に不安のある場合は、出来るだけ早く、専門機関できちんとした検査を受けられることをおすすめいたします。
 特に冬、お正月など、暖かい部屋の中からお屠蘇気分で急に寒い外に出て、心臓発作で倒れる場合が多々あります。

                                             康生会武田病院
                                                副院長 田巻 俊一

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