女性に多い鉄欠乏

 最近は男女を問わず、散歩やジョギングで汗を流している人を多く見かけます。なかにはダンベル体操用のアレーを、持つて歩いている人もいます不思議なことに、このように運動している人には肥満体の人は少ないのです。肥満を気にして運動に励んだら痩せたのか、運動が嫌いだから肥えたのでしようか?
 肥満の解消には運動も大切ですが、もっと大事なのが食べ過ぎないことです。といって、極端なタイエットはいろいろとからだに悪影響をおよぼします。ことに若い女性では生理が不順になつたり、疲れやすくなり、何となく覇気が乏しくなってきます。
 このような症状をきたす原因として、鉄欠乏による貧血症や、貧血までいかなくても、からだの中の鉄分が不足してくる潜在的な鉄欠乏状態がよく知られています。一般的に、女性は男性より2倍の鉄分を食事から摂らなくてはなりません。これは女性が月経や妊娠、出産、授乳などで余分に鉄分をからだから矢うためなのです。わが国の20歳から30歳代の女性の半数以上は潜在的な鉄欠乏状態になっています。
 鉄分は動物性のタンパク質に含まれているものが最も効率よく吸収され、利用されます。貧血状態になりますと、階段を上る時や軽い運動をしただけなのに「息がきれる」、「動悸がする」、「足が疲れる」というような症状がおこりやすくなります。「体力が落ちてきた」、「年のせいだ」と片づけないで、一度しっかり検査してみては如何でしょうか。

                                             ラクト健診センター 所長
                                                      森下 玲児

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