食欲の秋からスポーツの秋へ

 食欲の秋からスポーツの秋へ
 子どもの頃からやせコンプレックスを解消できない私には、肥満体は大きな憧れです。しかし、高度の肥満者には職業柄やはりこ注意を申しあげています。
 肥満者で高血圧、心肥大、高脂血症、高尿酸血症を伴うことが多く、従って糖尿病、狭心症、 心筋梗塞、脳卒中の発症リスクが明らかに高いことは医学的常識になっています。
 肥満の疫学は生命保険会社の膨大な資料から出発しています。すなわち、死亡率や入院率がいちばん低いのは標準体重に近い人々であり、20%以上の肥満者も、20%以下のやせも明らかに入院や死亡率が高くなっています。この∪字型の力-ブを見ますと標準体重の維持が保健の要であることを実感します。
 減量の必要性は解っていても、長年の生活習慣まで一朝一夕に改めることは大変に困難です。 食欲の秋から、スポーツの秋へ転換したいものです。

                                   康生会武田病院健診センター 名誉所長
                                                      北村 李軒 

  back
Copyright by Health & Nutrition Information 2001-2005