あなたの心臓、大丈夫ですか?

 心臓はあなたの一生を通じて休むことなく拍動し続けてくれる健気な臓器です。一分間の脈拍数は健康な人で70位ですから、わが国民の平均寿命が80年として30億回黙々と、ひたすらあなたの生命維持のために拍動してくれています。
 正しい知識に基づいたあなたの一寸した心使いで自分の心臓を守ることができます。万一故障した時には間違いなく治療して、一日でも長くその働きを維持して頂きたいと願うのです。
 心臓は生活習慣の影響を最も受け易い臓器です。欧米諸国に比べてわが国には心筋梗塞が少ないといわれてきましたが、飽食の時代になった今、次のような方はぜひ一度専門医の意見を求めてください。糖尿病、肥満、血清コレステロール220mg/dl、LDLコレステロール150mg/dl以上、160/100mmHg以上の高血圧のある方は、何も心臓の症状がなくても一度心臓のチェックを受けてください。予防は如何なる治療にも優ります。もし、狭心症や心筋梗塞に罹った場合は一刻も早く心臓専門医がおり、CCUの完備した病院で診察してください。
 以前は、20-30%の高い死亡率であった心筋梗塞も今では、余程大きな梗塞でない限り、社会復帰が可能になりました。梗塞の原因となっている冠動脈の血栓を薬で溶かしたり、冠動脈に風船付きの細い管を入れて血栓を除き、その後にステントという輪状の金属の網を入れて再狭窄を予防するなど、治療法の進歩は目覚しいものがあります。また従来治療の困難であった不整脈もカテーテル・アブレーションという方法で治る疾患になりましたし心臓急死の原因となる心室頻拍・粗細動も植え込み式電気除細動器が実用化され、多くの方が恩恵を受けています。

                                        医仁会武田総合病院 院長 
                                               循環器科 河合 忠一

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