お酒と上手につきあう方法

 お酒と上手に付き合う方法
 ビアホールの賑わう季節になりました。ひと汗流したあと、或いは1日の仕事を終えたあとの冷えたビールは格別の楽しみでしょう。酒と人類との関わりは、紀元前3000年の太古からの付き合いでありながら、アルコールの代謝過程はいまだに完全には解明されていないのです。
 体内の分解酵素としてアルコール脱水素酵素、ミクロゾーム・工タノール酸化系カタラーゼ、アルデヒド脱水素酵素が知られていますが、これらの酵素系には人種差があり、また個人差もたいへん大きいのです。日本人の44%は遺伝的に下戸であるという報告も見られます。
 酒は「百薬の長」と言われる反面、「魔水」とも呼ばれます。これは泥酔者の対応に困り果てた表現でしょう。紀元前のバビ□ニアの法典にも禁煙法が記されているようですし、佛教、キリスト教、イスラム教でも過飲を戒めています。
 有名なのは1819年、アメリカで禁酒法が成立しましたが、これを機に密造が盛んになり、密造酒を載せた船舶がギャングに襲われることが多くなって、僅か14年後に廃止になりました。このとき八イジャックという言葉が初めて使われたのです。酒は人問社会の潤滑油であるだけでなく、良い酒は文化を醸し出すことにもなりましょう。酒と上手につき合いたいものです。

                                      康生会武田病院健診センター
                                              名誉所長 北村 李軒

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