入学・入園を前に

 少子高齢化が進む中、子供は我が国の未来の担い手として、健全な成が望まれております。しかしながら核家族化が進み、親からの育児伝承がむつかしくなり、"子育て"への不安が増加してきております。"子育て"はお母さんを中心に家族みんなで育てるのが本来の姿ですが、女性の高学歴化、社会の労働人口の減少等で、子供は保育園、幼稚園におまかせ時代になりました。
 政府は、エンジェルプランによって社会保育が可能なように努力しております。そうなりますと家庭にいる時間が短くなります。この短い時間でたっぷりと親の愛情を注がねばなりません。これが駄目なら質でスキンシップをはかりましょう。
 心豊かに育てておかないと登校拒否、過敏性胃腸炎、過喚起症候群等の心身症があらわれてまいります。一人っ子時代となり、いろいろの問題が目立ちます。
 親の過保護、何でも子供の好むようにするとか、又、兄弟と云うタテ、ヨコ、ナナメの人間関係がなくなり、就学後良好な友達関係をつくりにくくなり、孤立非社会的な性格を形成する基礎になってしまいます。一人っ子の母親は自分の好みで路線をつくりがちですので自主性は育ちません。引っ込み思案の弱い人間に成長してしまいます。平素から、多くの友達と交わる機会を与えてください。
 集団生活をはじめる前に先ず、健全な心を、そして予防接種を完了しておくことです。感染してしまってから治療するよりも、うつらないようにする方が、大切です。予防接種は、ポリオ・BCG以外は地域での個別摂取になりました。
 かかりつけ医でご相談して下さい。出来れば、検尿もしておきたいものです。3歳児で先ず、スクリーニングが行われますが蛋白尿や微少血尿のチェックも大切です。虫歯もチェックしておきたいものです。
 最近アトピーと云う言葉をよく耳にします。アトピーの治療の第一歩は快眠・快食・快便にあります。 食物アレルギーがはっきりしている時には、主治医の指示書を提出して対応してもらうことです。又、朝食は必ずゆっくり食べるように習慣づけましょう。朝食抜きは健康や脳の働きに悪影響を及ぼすと云われ、 "落ち着きがない"、"根気が続かない"等の症状が現れ、成績が低下してまいります。よく咬むことが大切です。咀嚼によって脳も発達してまいります。
                                          康生会武田病院 院長  
                                                小児科  武田 道子
                                                                       back
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