め ま い |
めまいは、タイプも症状も多様ある年齢になると、「最近、時々めまいがして」ということで外来に来られる方が沢山居られます。「めまい」というなかには、実際にはいろいろな症状が含まれて居り、「天井がぐるぐる廻る」「身体がふわふわする」「ふと目の前が暗くなる」「一瞬意識がなくなる感じがする」などなどで、頭痛、耳鳴り、吐き気を伴ったりします。一般に女性の方の場合には「更年期障害」などともいわれます。 これらを大きく分けますと「内耳性のもの」「脳または聴神経などに異常のあるものL「脳への血の流れが悪くなるもの」「一種のてんかん発作」それに「頚部の神経痛によるもの」などに分けられます。内耳性のものは耳科的に検査をうけられますが、なかなか原因が判りません。脳に異常があるかどうかはMRIなどで検査します。またてんかんの軽いものでも脳波の検査で判ります。 しかし「めまい」で外来へ来られる方のなかで最も多いのが「肩のこり」によるものです。つまり「肩のこり」により頸の神経痛を釆し、そのため頚神経の傍を走っている頚部の交感神経(目律神経)の症状が出るものです。そのために「頭痛」「頭重」「重い物が頭に乗っている感じ」「鉢巻で頭をしめつける感じ」「後頭部が熱い・しびれる」「目がかすむ」「目の奥が痛い」「眠れない」「物忘れする」「イ一フイラする」「手がしびれる」「気分がうつ状態となる」などの症状も伴います。 その原因としては、「同じ姿勢で続けて仕事をするー手作業、パソコンなど」「姿勢が悪い-猫背など」「眼鏡の度が合っていない-読書『ワープ□、テレビゲームなど』「重い物を持って歩く-学童のカバンは重い」「以前に頸を捻挫する様な怪我をした」など、これらがおもな原因となっています。もちろん精神的甘緊張が続いたり、血圧が高かったりしてもおこります。診断としては、まず脳の器質的な疾患がないか、脳波の異常がないかなどを確かめ、もしこれらに問題がない場合には頚椎の検査(頚椎のX線、MR-など)をおこない、異常がないかどうか確かめます。 生活の中で治療をこれらに特に大きな異常がない場合、次の様な治療法を行います。まず、姿勢を正しくする、椅子と机の高さを調整する。枕の高さ、硬さ、眼鏡等いろいろ原因となり得るものを直す様にします。毎日頸の筋肉をしっかりとマッサージし、蒸しタオル、風呂で良く温めます。また朝夕、ラジオ体操などを行って頸の運動を行い、筋肉を柔らかくほぐすのも効果があります。必要なら内服薬、湿布薬などを用います。 以上の様に「めまい」はいろいろな原因があります。この「めまい」の症状のために、毎日暗い気分で不安な日々を送って居られる方がありますが、原因がはっきり分かれば治る可能性は十分にあります。皆様もぜひ一度ためしてみられてはいかがでしょうか。 前康生会武田病院 院長 脳神経外科 近藤明真 back |
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