けがのないようスポーツを楽しんで下さい |
近年スポーツを楽しむ人が、増えています。スポーツは健康の維持、体力の増強、肥満、成人病の予防等にとって有効であり、ストレスの解消にも有用であります。スポーツを通してコミュニケーションが可能となり、社交、ファッションとしてスポーツに参加する場合もあります。しかし何といってもその楽しさ、爽快感には格別なものがあります。 一方スポーツには怪我が付き物であり、ある程度不可抗力的な面もありますが、そのほとんどは防げる可能性があります。スポーツの怪我はスポーツ外傷と傷害の2つに分ける事ができます。スポーツ障害はほとんどはやり過ぎによって引き起こされる傷害であり、オーバーユース(使い過ぎ)症候群と言われるものです。代表的な怪我の予防について簡単に述べたいと思います。 ●肉離れ● 走中又はスタート時に大腿側の筋肉、ふくらはぎに多く起こります。運動前にストレッチングを十分に行い、徐々に運動を行う事、普段よりその拮抗筋を含め筋力を鍛えておく事がその予防には大切です。 ●腱断列● テニス、バレーボールで着地した時、運動会で急に疾走した時にアキレス腱によく起こります。肉離れと同様にストレッチング、十分な準備運動がこれを予防します。 ●捻挫● バレーボール、バスケットボールで着地した時に人の足の上に乗って足首を捻り受傷する事が多く、普段より関節周囲の筋力を鍛えておく事が予防となります。再発予防にはテーピングが有効です。 ●靭帯断裂● 膝の靭帯断裂はバスケットボール、ラグビーなどの着地動作、衝突、タックル等の大きな外力により生じます。スキー、スノーボードではスピードコントロールが大切であり、無謀な滑りを慎むことが大事です。 ●骨折・脱臼● 一般的には偶発的な大きな外力により生じ、これを防ぐのは困難と思われますが、無理をしないことが大切です。水泳で浅い水深の所へ頭から飛び込む時に頚椎脱臼骨折を起こす事がよくあります。四肢麻痺という重篤な症状となりますので、浅い所への飛び込みは絶対に避けなければなりません。 ●腱鞘炎● 肘外側に痛みが起こるテニス肘が代表的なものですが、テニス肘の場合、バックハンドをし過ぎない事、ガットを強く引っ張りすぎない事、手関節の筋力を鍛え、プレーの前後に十分にストレッチングを行う事が予防となります。 ●筋膜炎● 走り過ぎによって足の裏に痛みを生じる足底筋膜炎があります。走り過ぎない事、かかとの厚いクッションの良い靴を履いて走ることが予防となります。 ●疲労骨折● ランニング、ジャンプなどの繰り返し動作により中足骨(土踏まずの前方の骨)に起こりやすく、過度の運動を 控える事が大切です。 以上、代表的な怪我について述べましたが、スポーツ外傷は準備運動不足に起因する事が多く、スポーツ障害は過度の運動を不適切なやり方で行う事が原因です。スポーツによる怪我を防ぐにはストレッチングなどの準備運動を十分に行い、基礎体力、筋肉の強化に努め、正しい技術を習得し、ルールに則り、無理をしないでやり過ぎずに楽しむことが大切です。 康生会武田病院 副院長 整形外科 若林 詔 back |
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