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【宇宙から見た海の水】
京都大学大学院理学研究科教授(海洋物理学)
ジョン・P・マシューズ 先生
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宇宙から見た海の水 〜その3〜 |
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(1)はレーダー光度計です。人工衛星から電波を発して、海面からの反射で海面の高さを調べます。海面は人の目には平らに見えても、
実際には、一様ではありません。海底に高い山があると海面は高くなり、深い谷があると、逆にへこみます。この海面の高さの変化から、海底の地形がつかめます。
事実、この高度計で多くの海底火山 が見つかっています。海底の地形図を作ることは、深海の流れの流路を理解する上でも重要になるのです。
(2) は赤外線による海面の温度調査です。この調査に基づく分布図を見ると、世界で最も海面温度の高い海域はインドネシアの近くであることがわかります。
最近問題になっている地球温暖化を監視する上でも、重要なデータを提供してくれます。
(3) は可視光線による海の色の調査です。可視光を用いると、植物プランクトンの分布を知ることができます。この海中の小さな植物は、二酸化炭素を大気から吸収し、
地球温暖化に影響を与えます。
(4) はSAR(合成開口レーダー)による波動、海流、海氷の動きなどの調査です。レーダーを使うと、雲で視界をさえぎられる心配がなく観察できます。
しかも、SARは高分解能レーダーなので、海面の状態のわずかな変化まで知ることが可能になります
深層海水と健康研究会誌 vol. 1 より
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